蒸し器で作る極上赤飯の決定版!失敗しない蒸し時間と打ち水の極意
多くの家庭で赤飯作りが失敗する最大の要因は、もち米とうるち米のデンプン構造の違いを考慮せずに水分を与えすぎてしまう点にあります。うるち米がアミロース約20%とアミロペクチン約80%で構成されているのに対し、もち米はほぼ100%がアミロペクチンです。アミロペクチンは水分を含んだ状態で加熱されると急速に粘化し、外側から崩れてベチャベチャになりやすい性質を持っています。
炊飯器調理は密閉容器内で米を水に浸したまま沸騰させるため、米粒の外周部が過剰に水分を吸って柔らかくなりすぎ、内側に芯が残る「外軟内硬」のムラが生じやすくなります。一方、蒸し器・せいろを使った調理では、あらかじめ水を含ませた米に100℃以上の微粒子蒸気を通過させて熱伝導を行うため、米の外壁を崩すことなく中心部まで均一にデンプンを糊化(アルファ化)させることが可能です。
和食の調理科学の視点から見ても、蒸気熱で蒸し上げられたもち米は、冷めてもアミロペクチンの老化(硬化)が遅く、翌日になっても心地よい弾力と艶が持続します。これこそが、料亭や和菓子店がお祝いの赤飯レシピにおいて頑なに蒸し器を用いる決定的な理由です。