焼肉酒家えびす事件の全貌と2026年現在|元社長の今と裁判の結末
行政の調査によって、集団感染の直接的な引き金となったのは腸管出血性大腸菌O111およびO157であることが判明しました。特にO111は、O157を凌ぐ猛烈な毒素を生み出す危険な病原菌です。
では、なぜこれほど高濃度の菌が客の口に入る事態となったのでしょうか。捜査によって、肉の調達ルートと調理現場における驚くべき実態が明るみに出ました。
店舗で使用されていた牛肉は、食肉卸売業者である大和屋商店から仕入れられていましたが、これらは元々「加熱用」として流通していた牛モモ肉でした。本来、生食肉として提供するためには、表面の菌を削ぎ落とす「トリミング」という入念な作業が不可欠です。しかし、えびす側はコスト削減と作業効率化を優先し、加熱用肉をトリミングせずにそのまま細切りにしてユッケとして客に提供していました。
さらに、店舗内のまな板や包丁の使い回し、納入段階ですでに汚染されていた肉のずさんな保管管理など、構造的な安全意識の欠如が重なり、史上最悪の食中毒爆発を引き起こしたのです。