高畑充希の朝ドラ全軌跡!歌声の衝撃から『とと姉ちゃん』の選考真相まで
広くお茶の間に「高畑充希」という才能を知らしめた決定打といえば、2013年度後期放送の連続テレビ小説『ごちそうさん』です。杏が演じたヒロイン・め以子の義理の妹である西門希子(にしかどのりこ)役として出演した彼女は、物語の前半、徹底して内気で声の小さな少女を演じていました。視線を泳がせ、口ごもり、感情を表に出せない希子の佇まいは、観る者の庇護欲をそそる繊細さに満ちていたのです。
その静寂を劇的に破ったのが、ラジオ放送の現場でした。希子が人前で生まれて初めて声を響かせた名曲「焼氷(やきごおり)の唄」。マイクの前に立った彼女が喉を開いた瞬間、透き通ったハイトーンと感情豊かなビブラートがスタジオを超えて全国の茶の間に響き渡りました。当時のSNSでは「このとんでもない美声の持ち主は誰なのか」「鳥肌が止まらない」と驚嘆の声がリアルタイムで殺到。まさに高畑充希の劇的な歌唱力がお茶の間を真正面から打ちのめした歴史的瞬間でした。
この演出は偶然の産物ではありません。脚本を手掛けた森下佳子は、高畑充希が出演していた舞台を観劇した際、その規格外の声量と表現力に魂を抜かれ、「希子が殻を破る瞬間には、絶対に彼女の歌声を使いたい」とシーンを当て書きした経緯があります。中学時代にホリプロ45周年記念ミュージカルで9621人の応募者から主役を射止め、高校時代から8代目ピーターパン役を6年連続で勤め上げたという舞台の猛者だからこそ可能だった、必然のブレイク劇でした。