羽田孜の在任64日政権と省エネルックの真実|政治改革と受け継ぐ血脈
羽田孜氏を語る上で欠かせないのが、夏場に見せた半袖開襟スーツ姿、いわゆる「省エネルック」です。1970年代の石油危機時に政府が推奨したものの、当時はダサいと酷評されて定着しなかったスタイルを、羽田氏は農林水産大臣時代から首相時代、さらには野党重鎮となってからも頑なに着用し続けました。
当時のメディアからは時に冷やかされながらも着用し続けた理由は、単なる奇抜さ狙いではなく、徹底した現場主義とエネルギー節約への危機感にありました。「自分のような立場の人間が率先して着なければ、ライフスタイルは変わらない」という信念を貫いたのです。
この姿勢は、2000年代半ばから小泉純一郎政権下で定着した「クールビズ」の先駆けであり、時代を20年以上先取りしていた先見の明と言えます。周囲の目を気にせず合理的かつ環境に配慮した選択をする姿勢は、「庶民派の政治家」として国民から親しまれる大きな要因にもなりました。