1001体の国宝が迫る!京都33間堂の隠された歴史と混雑回避術
「1001体の千手観音の中には、必ず自分に似た顔の像、あるいは会いたい人に似た像がある」という伝承を耳にしたことがあるだろうか。一見すると同じように見える観音像だが、表情や目元、輪郭の描き方は一体一体微妙に異なっている。平安から鎌倉にかけての多数の仏師たちが、それぞれの感性と祈りを込めてノミを振るった証にほかならない。
お気に入りの一体を探すコツは、像の「目元」と「口元の角度」に着目することだ。柔らかな微笑みを浮かべる像もあれば、きりりと引き締まった凛々しい表情の像もある。また、堂の最前列で異彩を放つ風神雷神像や二十八部衆像の躍動感あふれる彫刻美も必見だ。風を孕む衣や怒りの表情を露わにする筋骨隆々の造形は、観音像の静けさと鮮やかな対比をなしている。