プライベートジェットの値段は?購入費から維持費・チャーターまで全解剖
航空業界で広く知られる格言に「飛行機を買う金があるなら、維持する覚悟を先に買え」という言葉があります。プライベートジェットは、機体をハンガー(格納庫)に眠らせておくだけでも莫大な固定費が発生します。一般的なビジネスジェットにおけるプライベートジェット年間維持費の内訳を検証します。
専属パイロット人件費と運航体制のコスト
プライベートジェットを安全に運航するためには、機長および副操縦士の「2名乗務」が法的に求められるケースが一般的です。現在、世界的なパイロット不足を背景に、ビジネスジェット操縦資格を持つクルーの報酬相場は高騰を続けています。
機長クラスで年収1,800万〜2,500万円、副操縦士で1,200万〜1,600万円が標準的な水準です。長距離国際線を頻繁に飛ぶ場合は交代要員(バックアップクルー)が必要となるため、3〜4名のパイロットを確保しなければなりません。これにキャビンアテンダント(CA)の人件費、年次シミュレーター訓練費、ステイ先の宿泊手当を加えると、専属パイロット人件費関連だけで年間6,000万〜1億円が計上されます。
空港駐機料と整備費用、燃料費の重圧
保管場所の確保も大きなハードルです。羽田空港や成田空港などの国際主要空港では、駐機スペースやハンガー(格納庫)のキャパシティが極めて逼迫しています。格納庫の賃料やオープンスポットの駐機料を合わせた空港駐機料と整備費用は、小型機であっても年間1,500万〜3,000万円、大型機では5,000万円以上に達します。
さらに見逃せないのが定期点検とメンテナンス費用です。エンジンオーバーホールやアビオニクス(航空電子機器)のアップデート、機体保険(年間1,000万〜3,000万円)を含めると、年間整備費は数千万円から1億円超。これに1回のフライトごとに数百万円単位で消費されるジェット燃料代(JET-A1)が加わります。
結果として、小型機でも年間1億5,000万円〜2億円、中大型機では年間3億〜6億円以上のプライベートジェット維持費を毎年支払い続ける体力が必要となります。