「日本の中心」はなぜ常に奪い合われるのか? 2026年、地番の頂点「1番地」が放つ異常な魔力と再開発の最前線
しかし、私たちが日常で使う「住所」と、不動産登記上の「地番」は必ずしも一致しない。1962年に施行された住居表示法によって、街路ごとに番号を振る合理的な方式が導入された結果、歴史ある「本来の1番地」が街の景観から姿を消すケースが相次いだ。
都内の下町を歩くと、看板には「5番地」とあるのに、法務局の公図を開けばそこが正真正銘の「1番地」であるという捻じれが今も無数に残る。明治の地租改正以来、先人たちが守り継いできた土地の境界線。それは、高度経済成長期の効率優先主義によって覆い隠された、街の失われた遺伝子でもある。