十角館実写化から最新動向まで!新本格の巨匠・綾辻行人の全貌に迫る
第45回日本推理作家協会賞を受賞した『時計館の殺人』は、新本格ミステリの到達点として今なお燦然と輝いている。外界から完全に遮断された不気味な館、次々と鳴り響く時計の鐘、そして止まらない連続殺人。物理的な密室と「時間」という不可視の概念を利用した壮大極まりないトリックは、推理小説史に残る奇跡的な完成度を誇る。
読者にすべての手掛かりを提示しながら、心理的な盲点を突いて完璧に欺く「フェアプレイ」の精神。極限状況における人間の狂気と、冷徹なまでに美しいロジックの調和。この作品を読破した瞬間に訪れる眩暈のような驚きこそ、綾辻作品が読者の魂を掴んで離さない最大の理由である。