ざるそばともりそばの違いは海苔だけ?歴史やつゆの秘密をプロが解説

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蕎麦屋のメニューには、「もり」「ざる」のほかにも「せいろ」や「かけ」が並びます。それぞれの定義と由来を整理すると、日本の麺文化の変遷が見えてきます。

もともと江戸初期、蕎麦はつゆにつけて食べる「蕎麦切り」が主流でした。しかし元禄期に、熱いつゆを上から豪快にかける「ぶっかけそば(現在のかけそば)」が誕生して大流行します。これに対して、従来の器に盛り付けて食べるスタイルを区別するために「もりそば」と呼ばれるようになりました。

一方の「せいろそば」は、天保の改革期(1830年代)における幕府の価格統制が起源です。蕎麦の値上げを禁止された蕎麦屋が、苦肉の策として底上げした蒸籠(せいろ)に蕎麦を盛り、実質的な減量によって利益を確保したという歴史があります。現代では竹すだれを敷いた木製の四角い器に盛られた蕎麦全般を指し、もりそばと同義で使われることが多くなっています。

前田 葵

前田 葵

サステナビリティ研究家

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。