神保町・北沢書店が愛される理由!アンティーク洋書と名店の歴史を徹底解剖
北沢書店の歴史は、今から120年以上前、1902年(明治35年)に初代・北沢定吉氏が神田神保町に古書店を開業したことから始まります。当初は和本や一般古書を扱っていましたが、大正、昭和と時代が移り変わる中で、研究者や学生が集まる神田の土地柄に呼応するように専門性を深化させていきました。
決定的な転機となったのは第二次世界大戦後です。日本の大学や研究機関が急速に欧米の学術研究を取り入れる流れをいち早く察知し、英米文学・英語学を中心とする洋書専門店へと大きく舵を切りました。海外の古書店やオークションから学術的価値の高い原書を直接買い付け、国内の大学図書館や教授陣の研究室へ届けるパイプ役を担ったのです。
夏目漱石をはじめとする文豪や、数多くの碩学(せきがく)たちが愛した神保町において、北沢書店は単なる本屋を超え、「知のインフラ」としての重責を果たしてきました。現在の瀟洒な「北沢ビル」へと建て替えられた後も、そのアカデミックな気品は脈々と受け継がれています。