「行く」「逝く」「生く」の違いは?「いく」の正しい使い分けと敬語表現
「行く」には「いく」と「ゆく」という2つの読み方があります。この2つの関係は、日本語の歴史的な変遷と音便化に由来しています。
古代の日本語(大和言葉)においては、もともと「ゆく(行く・逝く)」が本動詞としての標準的な形でした。『万葉集』や『源氏物語』などの古典作品でも「ゆく」が主流であり、平安時代後期から中世にかけて、発音のしやすさから促音便を伴う「いく」が口語として定着していった経緯があります。
現代文法における動詞「行く」はカ行五段活用に属し、以下のように活用します。
・未然形:行か(ない)
・連用形:行き(ます)/行っ(た・て) ※促音便
・終止形:行く
・連体形:行く(とき)
・仮定形:行け(ば)
・命令形:行け
ここで注目すべきは連用形の音便です。「ゆく」を活用させる場合、古風な表現では「ゆきて」「ゆきし」となりますが、現代口語では「行って」「行った」と促音便化します。「いく」は日常会話やスピーディーなやり取りに適しており、「ゆく」は詩歌や楽曲の歌詞、文学作品など情緒的な響きを持たせたい場面で使い分けられています。