米津玄師『馬と鹿』歌詞の真意とタイトル由来|名曲の神髄を徹底考察
映像作家・山田智和氏が監督を務め、世界的ダンサー・辻本知彦氏が振付を手掛けた公式ミュージックビデオ(MV)は、楽曲の持つ哲学的テーマを肉体言語へと完璧に昇華させました。
淡いペールブルーの髪に白のジャケットをまとった米津玄師が、薄暗い空間で100人を超える群衆と対峙します。押し寄せる人間の壁、激しいコンタクト、倒れ込みながらも立ち上がる動作の連続。この演出は、ラグビーのモールやスクラムを想起させると同時に、社会という巨大なうねりの中で個がどう立ち向かい、どう連帯するかを象徴しています。
冷徹な社会システム(壁)に対して、生身の人間(肉体)がぶつかり合う音。終盤にかけて群衆と米津の動きがひとつの大きなエネルギーへと統合されていくカタルシスは、言葉を超えて「生きることの生々しい手触り」を提示しています。