誰でも無料?早稲田大学演劇博物館の見どころと2026年最新ガイド
結論から申し上げますと、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館は、学生や教職員に限らず、一般の来館者であっても誰でも入館料無料で鑑賞可能です。特別な身分証の提示や事前登録を求められることもなく、開館時間内であればふらりと立ち寄って重厚なエントランスをくぐることができます。
国立や民間の大規模ミュージアムであれば一般入場に1,000円〜2,000円前後の観覧料がかかるのが通例である中、なぜアジア屈指の専門コレクションを誇る施設が無料公開を維持できているのでしょうか。その真相を紐解く鍵は、坪内逍遥の経歴と記念館の経緯に隠されています。
日本の近代文学・近代演劇の先駆者である坪内逍遙博士は、早稲田大学の前身である東京専門学校の創立期から教鞭を執り、文学部の基礎を築きました。彼が心血を注いだ一大事業が、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲全40編の完全翻訳です。1928(昭和3)年、逍遙の古稀(70歳)とこのシェイクスピア全集翻訳の偉業達成を祝うべく、当時の演劇界、実業界、学界をはじめとする各界の有志が広く寄付を募り、同年に設立されたのがこの演劇博物館でした。
「演劇の資料を散逸から防ぎ、広く社会に開放して後世の研究と文化発展に役立てる」という設立当初の崇高な理念は、1928年10月27日に行われた開館式の記念講演原稿にも克明に記されています。特定の営利を目的とせず、社会教育と学術研究への還元を旨とする寄贈施設として発足した歴史があるからこそ、早稲田大学演劇博物館の入館料無料という運営方針は、創始から1世紀近くを経た現在も揺るぎなく守り続けられているのです。