あの回転肉の正体とは?ドネルケバブの歴史と日本で深まる謎を追う
ケバブの起源は古代中東の遊牧民文化にまでさかのぼる。野営地で刀剣に肉を突き刺し、焚き火で炙って食べたのが始まりとされる。本来のシシケバブは、串に刺した一口大の肉を炭火で香ばしく焼くスタイルだ。
19世紀のオスマントルコ帝国時代、この調理法に劇的な進化が訪れる。北西部の都市ブルサで、料理人のイスケンダル・エフェンディが肉を垂直に吊るして回転させながら焼く技法を編み出した。脂が炭火に落ちて煙にならず、肉汁が全体に行き渡る革新的な調理法。これが現代のドネルケバブの原点である。羊肉や牛肉を丁寧に重ね合わせた重厚な肉のタワーは、当時の宮廷や貴族たちを唸らせたという。