火垂るの墓「西宮のおばさん」は悪者か?実は正論と再評価される理由

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清太とおばさんの関係が決裂した背景には、戦時下における労働観とプライドの衝突という悲劇的な構造があります。おばさん視点に立って当時の生活を眺めると、清太の振る舞いには共同生活を破壊しかねない要素が多々見受けられました。

海軍大佐(高級将校)の息子として何不自由なく育った清太は、裕福なブルジョワ階層特有のおっとりとした気質とプライドを保持していました。しかし、敗色濃厚な戦時下の長屋・下町コミュニティにおいて、特権階級の意識は通用しません。空襲警報が鳴っても防空活動に参加せず、節子を連れて海へ遊びに行き、家事の手伝いもろくにしない清太に対し、おばさんは次第に苛立ちを募らせていきます。

決定的だったのは、食事を別々に炊き分ける「自炊の申し出」でした。清太はおばさんの小言から逃れるため、母の遺金を引き出して自活する道を選びます。しかしこれは、共同体からの事実上の孤立を意味していました。おばさん側からすれば「追い出した」のではなく、協調性を拒絶した清太が自発的に横穴(防空壕)へと出て行ったというのが客観的な事実の推移です。

斉藤 蓮

斉藤 蓮

デジタルマーケティングコンサルタント

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。