毛を剃ると濃くなる噂は嘘?皮膚科医が明かす錯覚の正体と正しい対処法
「毛を剃ると濃くなる 嘘の真相」について、皮膚科医の見解は極めて明快です。「カミソリやシェーバーで毛を剃っても、毛が太くなったり濃くなったりすることは医学的に一切ない」というのが確立された結論です。
この事実は、決して新しい学説ではありません。古くは1928年に米国の研究者ミルドレッド・トロッター(Mildred Trotter)氏が発表した臨床研究をはじめ、その後の米皮膚科学会(AAD)や国内外の学術機関による追試において、剃毛が毛の成長速度・太さ・色素量に影響を与えないことが繰り返し証明されています。
皮膚科学の構造から考えても、剃毛によって毛質が変わらない理由は明確です。毛の成長や太さ、メラニン色素の生成を司っているのは、皮膚の深部(真皮から皮下組織にかけて約2〜4mmの深さ)に存在する「毛乳頭」および「毛母細胞」です。カミソリの刃が接触するのは角質層の表面(深さわずか0.02mm程度)に過ぎません。表皮の上に出ている死んだ角質タンパク質(毛幹)を切断したからといって、その刺激が皮下深くの毛母細胞に伝わり、毛を太く作り変える遺伝子スイッチが入るような生体反応は存在しないのです。