千と千尋の温泉モデルはどこ?油屋の真相と泊まれる聖地旅館一覧
インターネット上の旅行ブログや海外ツアーのパンフレットなどで、長年にわたり「千と千尋の神隠しの舞台」として紹介されてきたのが、台湾北部の山あいの街・九份(ジョウフン)に佇む茶芸館「阿妹茶楼(アメチャロウ)」です。石段沿いに連なる赤い提灯とレトロな木造家屋の風景は、確かに劇中で千尋の両親が神々の食べ物を貪り喰らった飲食店街を連想させます。
しかし、この「台湾・九份モデル説」は完全なデマ(都市伝説)であることが、公式関係者によって複数回明言されています。
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、台湾メディアの公式インタビューにおいて「宮崎駿監督と九份を訪れたことは制作当時はなく、モデルにしたという事実はない」と明確に回答しています。さらに宮崎駿監督本人も、台湾のテレビ局による取材に対し「九份に行ったことはない」と苦笑交じりに証言しています。
なぜこの誤解が世界規模で定着したのでしょうか。その背景には、2000年代初頭の台湾観光ブームにおける現地の商業的プロモーションと、赤提灯が灯るアジアの伝統的街並みが持つ「視覚的な記号の類似性」がネットの拡散力と結びついた結果があります。九份自体は非常に魅力的で情緒ある観光地であることに間違いはありませんが、「千と千尋の公式ロケ地」として期待して訪れると、事実との乖離に戸惑うことになるため注意が必要です。