沖縄でセミを食べる?伝統珍味の知られざる真相と安全調理法
沖縄県北部、手つかずの原生林が今なお広がる「やんばる」地域。この地では古くから、野山を駆け巡る子供たちや山仕事に携わる人々の間で、蝉を手軽な野外のおやつとして味わう知恵が存在していた。中でも夏場に爆発的な発生を見せる大型種のリュウキュウアブラゼミは、その身体に豊かなタンパク質と上質な脂質を蓄えていることで知られる。
地元の古老に話を尋ねると、「戦後の食糧難の時代はもちろん、その後も山に入った際の密かな楽しみとして素揚げで味わった」と懐かしそうに語る。日々の食卓に日常的に登場する主食ではないものの、旬の時期と地域に寄り添う知られざる伝統珍味として、人々の記憶と舌に確かに受け継がれてきたのである。