安心立命とは?正しい読み方・意味と座右の銘に選ばれる理由を解説
この四字熟語は、古代中国の二大思想である「儒教」と「仏教(禅宗)」の教えが融合して生まれました。一見するとひとつの仏教用語に見えますが、前後の二文字でそれぞれ異なる原典を持っています。
まず後半の「立命(りつめい)」は、中国の戦国時代に儒学を説いた『孟子(もうし)』尽心上篇に由来します。孟子は「短命か長命かに心を乱さず、身を修めて天命を待つことこそが、自らの命(運命・使命)を立てる道である」と説きました。自らの分をわきまえ、外的条件に惑わされずに本分を尽くす姿勢が「立命」の根幹です。
一方、前半の「安心(あんじん)」は、仏教や禅宗において「迷いや煩悩を断ち切り、仏の法を信じて心が完全に落ち着いた状態」を意味します。禅宗の初祖である達磨(だるま)大師と弟子・慧可(えか)の間で交わされた「安心の法門」の問答は非常に有名です。
中国の宋代(960〜1279年)に入ると、儒教と禅宗の相互交流が活発化し、この2つの言葉が一体となって「安心立命」という完成された概念に昇華しました。時代と宗教を超えて磨き抜かれた、東洋哲学の精髄とも呼べる成り立ちを持っています。 (出典: 安心 立命 と は(Yahoo!ニュース))