食卓を直撃する米牛高騰の真実!安全性の疑問と旨い部位の選び方
店頭での価格上昇は、単なる一時的な品薄ではない。農林水産省が公表する最新の貿易統計を見ても、輸入牛肉のキロ単価は高止まりを続けている。米国中西部を襲った記録的な干ばつによって牧草地が荒廃し、繁殖牛の飼養頭数が過去数十年で最低水準に落ち込んだことが最大の要因だ。
かつて関税引き下げを巡って激しい交渉が繰り広げられた日米貿易協定のもと、日本市場へのアクセスは制度上スムーズになった。しかし、現地での出荷頭数自体が激減しているため、日本側の買い付け競争力は試されている。バイデン政権下で農政を率いるトム・ヴィルサック(米農務長官)は、持続可能な畜産業への転換と輸出拡大を掲げてきたが、供給不足による相場の上昇圧力を抑え込むには至っていない。
大手商社の食肉担当者はこう漏らす。「以前のように安価なバラ肉(ショートプレート)を大量に仕入れて牛丼チェーンに流すビジネスモデルは、限界に達しています。現地パッカーの提示価格は強気そのもので、日本市場は買い負けの危機に常に晒されているのが実情です」