壁の向こうで歌う理由:刑務所慰問を続ける芸能人たちの実態と裏側
日本の刑務所慰問の歴史を語る上で、歌手で俳優の杉良太郎の存在を外すことはできない。半世紀以上にわたり、私財を投じて国内外の施設訪問を続けてきた彼の活動は、単なる芸能活動の域を完全に超えている。自ら全国の施設へ足を運び、受刑者と同じ食事をとりながら言葉を交わしてきた実績は、日本の矯正支援の基盤を作ったとも言える。
一方で、刑務所慰問をライフワークとして全国の施設を巡回する女性デュオPaix2(ペペ)の活動も極めて象徴的だ。「プリズン・アイドル」の異名を持つ彼女たちは、全国の少年院や刑務所で通算500回を超えるプリズンコンサートを実施してきた。澄んだ歌声と等身大の語りかけは、多くの受刑者に寄り添い続けている。
その他にも、落語家や歌舞伎役者、お笑い芸人やアスリートなど、幅広い分野の第一線で活躍する人々が施設を訪れてきた。華やかな表舞台のキャリアとは対極にある現場で、彼らは表現の本質を問い直している。