『ハウルの動く城』サリバン先生の正体と真の目的|黒幕説の真相を徹底考察
物語の結末で最も多くの視聴者を驚かせるのが、水晶玉の通信越しにサリバン先生が呟く「総理大臣と参謀長を呼びなさい。このくだらない戦争を終わらせましょう」という唐突な幕引きです。
一国の命運を左右する大戦争を、まるで手元のゲームを片付けるかのように終わらせた理由には、以下の3つの決定的な計算が働いています。
第一に、使い魔の犬「ヒン」からの通信により、ハウルがカルシファーとの契約を解除し、人間の心を取り戻したことを確認した点です。ヒンはサリバンのスパイとしてソフィーたちに同行していましたが、ソフィーの無償の愛に触れ、彼女側へと寝返っていました。ヒンが映し出した映像によって、ハウルが「魔王化」する脅威は完全に消滅しました。
第二に、呪いを解かれたカカシの正体が「行方不明になっていた隣国の王子(ジャスティン王子)」だったことです。この戦争はそもそも隣国の王子失踪が引き金となって勃発したものであり、王子が無事に帰国して戦争を止める宣言をした以上、開戦の大義名分そのものが崩壊しました。
第三に、これ以上戦争を長引かせても自らの権力強化につながらず、むしろ国家崩壊のリスクが高まると判断したためです。潮目の変化を瞬時に見抜き、即座に損切りを行って幕を引く判断力こそ、サリバンが冷徹な政治家である証拠といえます。