乳がんのタイプで何が変わる?4大分類の特徴・進行速度と最新治療法
乳がん全体の約5〜10%は、親から子へと受け継がれる遺伝的要因が関与しているとされています。その代表格が遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)です。
HBOCは、細胞のDNA修復を担う遺伝子である「BRCA1」または「BRCA2」に変異があることで発症します。この変異を持つ女性は、生涯で乳がんを発症する確率が一般女性に比べて大幅に高くなり(約40〜70%)、卵巣がんや若年性乳がん、両側性乳がんを発症しやすい特徴があります。
現在では一定の基準を満たす乳がん患者に対し、BRCA遺伝子検査が公的保険で実施されています。HBOCと確定診断された場合、以下のような個別の最適化医療が提供されます。
- 分子標的薬(PARP阻害薬:オラパリブなど)の適用:BRCA変異を持つがん細胞のDNA修復経路を二重に遮断し、効率的に死滅させる治療法。
- リスク低減手術の選択肢:将来的な発症や再発を防ぐため、反対側の乳房や卵巣・卵管を予防的に切除する手術(保険適用)。
- 高精度なサーベイランス:乳房MRIを用いた定期的な精密検査による早期発見体制の構築。
遺伝情報の把握は、患者本人の再発防止だけでなく、血縁者の健康管理やがん予防にも直結する極めて重要な医療ステップとなっています。