過酸化水素と過マンガン酸カリウム|反応の仕組みと滴定計算を徹底解説

過酸化水素と過マンガン酸カリウム|反応の仕組みと滴定計算を徹底解説の要点を分かりやすくまとめてご紹介します。

この反応を理解する上で、丸暗記は破滅のもとです。半反応式の作成ステップを論理的に追うことで、試験本番でも迷わず正確な式を組み立てることができます。ここではイオン反応式から完全な化学反応式を完成させるまでの手順をステップ・バイ・ステップで追跡します。

ステップ1:酸化数の変化と半反応式の作成

まずは酸化剤と還元剤、それぞれの主役の変化と電子(e⁻)のやり取りを記述します。

① 酸化剤:過マンガン酸イオン(酸性環境下)
Mnの酸化数は「+7」から「+2」へと5減少します。右辺と左辺のO原子の数をH₂Oで合わせ、H原子の数をH⁺で補います。
MnO₄⁻ + 8H⁺ + 5e⁻ → Mn²⁺ + 4H₂O (式1)

② 還元剤:過酸化水素
Oの酸化数は「-1」からO₂の「0」へと、原子2個分で合計2増加します。電子2個と水素イオンを右辺に配置します。
H₂O₂ → O₂ + 2H⁺ + 2e⁻ (式2)

ステップ2:電子(e⁻)を消去してイオン反応式を導出

酸化還元反応の絶対原則は「酸化剤が受け取る電子数 = 還元剤が放出する電子数」です。式1の電子数は5、式2の電子数は2であるため、最小公倍数である「10」に揃えるべく、式1を2倍、式2を5倍して足し合わせます。

(式1 × 2):2MnO₄⁻ + 16H⁺ + 10e⁻ → 2Mn²⁺ + 8H₂O
(式2 × 5):5H₂O₂ → 5O₂ + 10H⁺ + 10e⁻

両辺から10e⁻を消去し、左辺の16H⁺と右辺の10H⁺を相殺すると、以下のイオン反応式が導き出されます。
2MnO₄⁻ + 6H⁺ + 5H₂O₂ → 2Mn²⁺ + 8H₂O + 5O₂

ステップ3:省略されているイオンを補い、化学反応式を完成

最後に、実際の水溶液中に存在する「反応に関与しなかったイオン(観覧者イオン)」を両辺に同数だけ補います。反応容器内には過マンガン酸カリウム由来のK⁺と、硫酸酸性に由来するSO₄²⁻が存在します。

左辺の2MnO₄⁻に対応して2個のK⁺を加え、6H⁺に対応して3個のSO₄²⁻を加えます。右辺にも全く同じく2K⁺と3SO₄²⁻を分配します。
・2Mn²⁺ + 2SO₄²⁻ → 2MnSO₄
・2K⁺ + SO₄²⁻ → K₂SO₄

これにより、高校化学の教科書に記載される完全な化学反応式が完成します。
2KMnO₄ + 3H₂SO₄ + 5H₂O₂ → 2MnSO₄ + K₂SO₄ + 8H₂O + 5O₂

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。