乳がんの種類の違いとは?サブタイプ別の特徴と最新治療・予後を徹底解説
現代の医療現場で治療法選択の基軸となるのが乳がんサブタイプ分類です。バイオマーカーの組み合わせにより、主に4つのタイプへ大別されます。
1. ルミナルA型(ホルモン受容体陽性 / HER2陰性 / Ki-67低値)
乳がん全体の約50〜60%を占める最も多いタイプです。女性ホルモンをエサにして比較的穏やかに増殖します。ホルモン受容体陽性治療方針として、5〜10年間のホルモン療法(抗エストロゲン薬やアロマターゼ阻害薬など)が基本となり、多くの症例で化学療法(抗がん剤)を回避できるのが特徴です。
2. ルミナルB型(ホルモン受容体陽性 / HER2陰性または陽性 / Ki-67高値)
ホルモン受容体陽性でありながら、増殖活性(Ki-67値)が高いグループです。ここで重要となるのがルミナルA型とルミナルB型の違いです。B型は再発リスクや増殖スピードがA型より高いため、ホルモン療法に加えて術前・術後の抗がん剤治療を併用するケースが多くなります。また、HER2も陽性である「ルミナルHER2型」の場合は、抗HER2薬も組み合わせた包括的な治療が行われます。
3. HER2陽性型(ホルモン受容体陰性 / HER2陽性)
全体の約15〜20%を占めます。HER2陽性乳がん特徴として、かつては進行が速く再発リスクが高い難治性とされていましたが、分子標的薬「トラスツズマブ」や「ペルツズマブ」の開発によって治療成績が劇的に向上しました。現在では薬物療法が著効しやすいタイプへと位置づけが変わっています。
4. トリプルネガティブ型(ER陰性 / PgR陰性 / HER2陰性)
全体の約10〜15%を占め、3つの受容体をすべて持たないタイプです。ホルモン療法や通常の抗HER2薬が効かないため、抗がん剤が主軸となります。トリプルネガティブ予後と生存率に関しては、診断後2〜3年以内の早期再発リスクに注意が必要とされますが、術後5年を無再発で経過した後の再発率は急激に低下するという特徴を持っています。