土と色彩が交差する情景:陶芸家・矢島操が創り出す「掻き落とし」とうつわの美学
矢島操が作るうつわの多くは、実用を強く意識した日常の道具である。オーバル皿、角皿、マグカップ、鉢。一見するとアートピースのような存在感を放ちながらも、料理を盛り付けた瞬間にその真価を発揮する。
盛り付けを引き立てる「構図の計算」
器の全面に柄を敷き詰めるのではなく、あえて大きな「余白」を残す。あるいは、中央を大胆に開け、縁(ふち)まわりに集中的に掻き落としを施す。この計算された構図によって、和食の煮物から洋食のパスタ、あるいはフレンチのメインディッシュに至るまで、どんな料理も惹き立つ。
触感で楽しむ質感の対比
削られた部分のわずかな凹凸。白化粧のしっとりとした手触りと、釉薬がかかったツヤのある部分の対比。五感のうち「触覚」に訴えかける仕上がりが、毎日の食卓に心地よい刺激を与えてくれる。