波乱の元天才女流棋士・林葉直子 闘病の果てに掴んだ静かな日常
福岡県出身の林葉直子は、わずか11歳で故・米長邦雄永世棋聖の門を叩いた。内弟子として厳しい修業の日々を送るなか、その天賦の才は瞬く間に開花する。1980年にプロ入りを果たすと、翌年には13歳にして女流王将を獲得。そこから前人未到の女流王将戦10連覇という不滅の金字塔を打ち立てた。
当時の女流棋戦において、林葉の強さは異次元だった。盤面を直感で捉え、電光石火の切れ味で敵陣を崩す「林葉流」の終盤術には、男性トップ棋士たちも舌を巻いた。将棋盤を見ずとも指し手を瞬時に組み立てる天才的な頭脳と、愛らしいルックスが融合し、将棋という伝統文化に空前絶後の大ブームを巻き起こしたのである。