朝鮮戦争の特需が及ぼした株価の真実と地政学リスク対策の全貌
米国のハリー・S・トルーマン大統領による緊急声明と軍事介入の発令は、世界情勢のみならず日本の金融政策にも決定的な衝撃を与えた。当時、政権を担っていた吉田茂首相は、この事態がもたらした膨大な物資発注を「神風」と捉え、戦後復興の千載一遇の好機として外交と経済政策を舵切りした。
緊迫する情勢のなか、再開されて間もない東京証券取引所の場内は連日、悲鳴のような買い注文で揉みくちゃになった。一方、日本銀行は急激なインフレ懸念と外貨準備の急増に対応するため、金融引き締めと緩和の高度な舵取りを余儀なくされた。政治と中央銀行の緊迫した駆け引きが、市場の熱狂を下支えしていたのである。