猫の口が臭い原因と病気のサイン|臭い別対策と病院へ行く目安
WEB上のコミュニティやSNS、知恵袋などでは「猫の口が臭いけれど元気そうだから様子見している」「歯磨きを嫌がって流血沙汰になる」といった飼い主の切実な悩みが日々投稿されています。
しかし、小動物歯科を専門とする獣医師への取材や臨床データからは、飼い主の楽観的な認識と現場の実態との間に大きな乖離があることが浮き彫りになっています。
日本小動物歯科研究会などの報告によると、3歳以上の猫の約80%が何らかの歯周病変を抱えているとされています。ある動物病院の院長は取材に対し、次のように現場の危機感を語っています。
「『最近ちょっと口が臭う』と来院された時点で、歯肉をめくるとすでに歯根部が露出し、骨が溶け始めている症例が非常に多い。猫は痛みを隠す動物なので、食欲があるから大丈夫という判断は極めて危険です」
さらに見過ごせないのが、無麻酔での歯石除去(サロンや無資格者による施術)を巡るトラブルです。「麻酔が怖いから」と無麻酔スケーリングを選ぶ飼い主が後を絶ちませんが、表面の歯石だけを削り取っても、臭いや炎症の主因である「歯周ポケット深部の細菌」は除去できません。それどころか、暴れる猫を押さえつけることによる顎の骨折事故や、器具で歯の表面に細かな傷がつき、かえって以前より歯石が付着しやすくなるケースが多発しています。日本獣医学会や各国の専門医組織も、無麻酔での処置には明確な警告を発しています。