神戸ファッションマートの現在は?テナント激減の真相と最新活用術
インターネット上で「ガラガラ」「ゴーストタウン」と評される最大の要因は、施設が本来想定していたファッションビルとしての機能がほぼ終焉を迎えたことにあります。開業当初、神戸ファッションマートは神戸市が掲げた「ファッション都市宣言」の象徴であり、アパレル関連企業のショールームや輸入ブティック、展示会場を一体化させた先進的なビジネス拠点でした。しかし、オープン直後のバブル崩壊、1995年の阪神・淡路大震災、その後のデフレ長期化という三重苦に見舞われ、当初描いた青写真の修正を余儀なくされました。
商業コンサルタントや流通関係者の分析によると、アパレルブランドの大量撤退をもたらした構造的な閉店理由は、EC(ネット通販)の台頭とファストファッションへの市場シフトに加え、六甲アイランドという人工島特有の動線的ハンディキャップでした。三宮や梅田といったターミナル駅直結の商業ビルに人が集まる時代において、わざわざ乗り換えを挟んで孤立した人工島まで洋服を買いに来る一般消費者が激減したことは避けられない必然でした。
現在、低層階のショッピングフロアを歩くと、広大な吹き抜けのアトリウムに対して歩行者の姿がまばらに映る時間帯があるのは事実です。しかし、これを単純に「衰退」と断じるのは早計です。施設管理会社は早い段階から方針転換を図り、単なる一般小売店を集めるモールから、目的来店性の高い上質な家具・インテリア特化型フロア、およびIT企業や研究機関を誘致するオフィス・研究開発拠点へと舵を切りました。表層的な華やかさこそ落ち着いたものの、平日のオフィス勤務者や週末のインテリア商談客など、訪れる層の目的は極めて明確に再編されています。