学校のプールサイド走るの禁止はなぜ?火傷リスクとサンダル論争の真相
教育情報コラム『第4回 プールサイドに立つということ』などの教員向け手記や現職教員の証言を紐解くと、プールサイドに立つ指導者が背負う精神的重圧の凄まじさが浮き彫りになります。教員のプールサイドにおける立ち振る舞いについて、初任者向けの手引には「最初はTシャツなどのカジュアルが主流の学校もあるが、ブラウスにパンツスタイル等で様子を見るのが望ましい」といった記述も見受けられますが、2026年の現実はそのような外見の品位論を超えたサバイバル環境と化しています。
直射日光と水面の照り返しを全身に浴びるプールサイドは、体感温度が40℃をはるかに超える過酷な現場です。多くの教員が長袖の遮熱ラッシュガードに帽子、偏光サングラス(水面の乱反射を抑えて水底の児童を視認するため)を装備して監視台に立ちます。しかし、保護者や近隣住民から「教員がサングラスをかけて威圧的だ」「不真面目に見える」といった無理解なクレームが寄せられる事例も後を絶ちません。
「40人の子どもたちが一斉に水しぶきを上げている中、わずか2名の教員で全方位の安全を確保しなければならない。もし1名が溺れかけたり、1名がプールサイドで走って転倒したりすれば、そちらの救護に気を取られた瞬間に水底への沈下を見落とす恐怖がある」――ある公立小学校教員は手記の中でそう吐露しています。プールサイドを走る子どもに対して教員が思わず大声を上げてしまうのは、自身の監視の死角が生まれ、他の児童の生命まで危険に晒される極限状態に置かれているからに他なりません。