自宅で作るアルカリ電解水の罠!有毒ガスリスクと安全な代用術
「市販のアルカリ電解水を買うのはもったいないから、塩水を電池で電気分解して自作したい」という発想は、化学的な観点から見れば極めてハイリスクな誤解に基づいています。製品評価技術基盤機構(NITE)や日本中毒情報センターの注意喚起データに照らし合わせても、密閉されていない室内での無管理な電気分解は、重大な事故を引き起こす引き金になり得ます。
水($H_2O$)に食塩(塩化ナトリウム:$NaCl$)を溶かして電気を流すと、陽極(プラス極)と陰極(マイナス極)で激しい化学反応が起こります。陽極側からは極めて有害な塩素ガス($Cl_2$)が発生し、陰極側には水酸化ナトリウム(強アルカリ成分)が生成されます。市販の専用プラントや認可された生成装置では、特殊な「隔膜」を用いて両極の気体と液体を完全に分離し、塩素ガスを安全に無害化処理する技術が組み込まれています。
しかし、家庭用の簡易容器やコップに電極を差し込むだけの自作実験では、隔膜による分離ができません。その結果、部屋中にツンとした刺激臭を放つ有毒な塩素ガスが充満し、目や喉の粘膜を激しく損傷します。さらに、液中には不安定な次亜塩素酸ナトリウムや不純物が混ざり合い、目指していた純粋なアルカリ電解水とは似て非なる、極めて腐食性の高い危険な液体へと変貌してしまいます。