テレビのチャンネル番号が地域で違う理由とは?地デジ設定と仕組み解説
テレビのチャンネルを理解するうえで避けて通れないのが、私たちが日常的に呼んでいる「チャンネル番号」の二重構造です。 テレビの操作盤やリモコンに印字された「1」から「12」までの数字は、専門用語で「リモコンキーID」(論理チャンネル)と呼ばれます。これに対し、東京スカイツリーや各地の送信所から実際に空間へと放射されている高周波の電波帯は「物理チャンネル」と呼ばれています。 Wikipediaの技術資料や総務省の周波数割り当てデータによると、地上デジタル放送では470MHz〜710MHzのUHF帯(13ch〜52ch)が物理チャンネルとして割り振られています。つまり、テレビ画面上で「1」や「4」を押した瞬間、テレビ内部のチューナーは「物理チャンネル27chの周波数(例:557MHz)」といった特定の電波を瞬時に探索し、映像データを取り出しているのです。 では、なぜ全国でリモコンキーIDを「日テレ系=4」「フジ系=8」のように統一できなかったのでしょうか。その真相は、1953年に始まったアナログテレビ放送の歴史にあります。 アナログ時代、電波はVHF帯の1〜12チャンネルを使って送信されていました。東京では1chがNHK総合、4chが日本テレビ、6chがTBS、8chがフジテレビ、10chがテレビ朝日(旧NET)、12chがテレビ東京(旧東京12チャンネル)という並びでした。 しかし、関西エリアでは電波の割り当て順序が異なり、毎日放送が4ch、朝日放送が6ch、関西テレビが8ch、読売テレビが10chという配置で開局しました。半世紀にわたり「4チャンネルはMBSの番組」「10チャンネルは読売」として人々の生活に完全に定着していたのです。 2011年の地デジ完全移行に際し、郵政省(現・総務省)や放送業界では「全国でキー局系列ごとにリモコン番号を統一する案」も議論されました。しかし、地方局や視聴者側から「長年親しまれた番号が変わると大混乱が起きる」「視聴習慣が破壊されて視聴率が急落する」という猛烈な反発が巻き起こりました。結果として、各地域の放送局が培ってきたブランド価値を尊重する形で、地域ごとに異なるリモコンキーIDの割り振りが容認されたのです。