大相撲の懸賞金はいくら?手取り額の真相と税金の内訳を徹底解剖

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土俵上で渡される熨斗袋の束を抱えて支度部屋に戻った力士は、その場で付き人に現金を数えさせ、勝利の余韻に浸ります。しかし、相撲部屋関係者の証言によると、「支度部屋に戻った時点で、その現金の多くは次の使い道が決まっている」のが相撲界の日常です。

現金3万円は、日頃から身の回りの世話をしてくれる付け人(幕下以下の力士たち)への小遣いや祝儀、あるいは部屋の若い衆を連れて行く食事代として豪快に使われるケースが少なくありません。角界特有の「宵越しの金は持たない」気風が残る中、もし7万円全額が現金で手渡されていたらどうなるでしょうか。翌年の春、懸賞金の税金と確定申告の時期に破綻する力士が続出することは火を見るより明らかです。

税務上の取り扱いとして、力士が得る懸賞金は給与所得ではなく事業所得に分類されます。年収が数千万円から1億円を超える上位力士の場合、所得税の最高税率45%に住民税10%を加えた約55%が課税対象となります。協会が3万円(約43%)を強制的に預金口座へプールしておくことで、確定申告時に数十本〜数百本分の納税通知が届いても、積立口座から滞納なく納税を完結できる仕組みが完成しているのです。

引退時に残った納税充当金の残額は、本人の引退後の生活資金として一括返還されます。相撲協会によるこの仕組みは、若くして大金を手にする格闘家が陥りがちな金銭トラブルを未然に防ぐ、極めて合理的かつ温情的な生活防衛策と言えます。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。