【ネタバレ】『向日葵の咲かない夏』結末とミカの正体|衝撃の真相考察
本作において読者に最大のトラウマと衝撃を与えたのが、常にミチオと行動を共にし、知的な助言を与えていた妹・ミカの正体です。
物語の終盤、ミカは人間の少女などではなく、過去に生後間もなく死亡した実妹の記憶を、ミチオが1匹の「トカゲ(カナヘビ)」に投影して見出していた幻覚であることが判明します。ミチオが抱いていた「妹と手を繋いで歩く」「妹と会話する」という描写はすべて、少年の壊れた精神が見せていた主観的幻想に過ぎませんでした。
この歪みの根源にあったのは、ミチオの実母による深刻な児童虐待とネグレクトです。ミチオの母親は感情の起伏が激しく、子どもに対して極めて冷酷かつ暴力的な支配を行っていました。かつて実の妹ミカが命を落とした背景にも母親のネグレクトが存在しており、ミチオはその耐え難い現実から自らの自我を守るため、防衛機制(解離性障害)によって「生きている妹」を頭の中で創り出し、トカゲと会話していたのです。