愛川欽也が遺した表現者の魂|死因と『アド街』降板の真相と絆
愛川欽也さんの経歴を振り返ると、彼がいかに既存のタレントの枠組みを超越したパイオニアであったかが浮き彫りになります。名門・俳優座養成所の第3期生として演劇の基礎を叩き込んだ後、1960年代には声優としてその類稀な存在感を開花させました。
愛川欽也さんの声優代表作として金字塔を打ち立てたのが、テレビアニメ『いなかっぺ大将』の「ニャンコ先生」です。「キャット空中三回転」の掛け声とともに繰り出されるユーモラスで哀愁漂うしゃがれ声は、国民的な人気を博しました。さらに、海外ドラマ『ルート66』の吹き替えや、後年の『ドラゴンボール 最強への道』での亀仙人役など、声の表現者としても一時代を築いています。
1970年代に入ると、深夜ラジオ『パックインミュージック』のパーソナリティとして若者から圧倒的な支持を獲得。さらに自ら企画を映画会社に持ち込んで誕生したのが、映画『トラック野郎』シリーズでした。菅原文太さん演じる一番星桃次郎の相棒、「ヤモメのジョナサン」こと松下金造役を熱演。全国の長距離ドライバーをはじめとする庶民の熱狂を生み、全10作に及ぶ大ヒットシリーズへと牽引しました。
1980年代にはフジテレビ『なるほど!ザ・ワールド』の司会として楠田枝夏子さんとの名コンビを結成。「はい、消えた!」のフレーズでお茶の間を沸かせ、最高視聴率36.4%を記録するなど、テレビ界のトップランナーとして不動の地位を確立しました。