京都南丹市の行方不明事案を追う|警察捜索の現在と発見阻む地形の壁

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「一体なぜこれほど捜索隊が入っても発見に至らないのか」――この疑問に対する答えは、南丹市の特異な地形構造にあります。特に南丹市美山町で行方不明が発生した場合、その捜索難易度は国内でも屈指のレベルに跳ね上がります。

美山町の北東部に広がる芦生(あしう)原生林(京都大学フィールド科学教育研究センター森林ステーション芦生研究林)および丹波高地の山群は、手つかずの自然が残る西日本屈指の原生林地帯です。このエリアには以下の「4大障壁」が存在します。

  • V字谷と迷走尾根:標高自体は600〜900メートル級と低山に見えるものの、無数の枝尾根と急峻なV字谷が複雑に入り組んでおり、尾根を一本間違えるだけで全く別の水系に滑落・誘導されてしまう。
  • 由良川源流域の急流・巨岩帯:川沿いへの脱出を試みた結果、増水した沢や滝に阻まれて進退窮まる「沢登り・沢下り遭難」が多発する。
  • 電波不感地帯(圏外)の広大さ:尾根筋の一部を除き、谷底や密林内ではスマートフォン等の基地局電波が届かず、遭難者自身による位置情報の送信や救助要請が不可能になる。
  • 急激な気温低下と霧の発生:夕刻になると急激に濃霧が発生し、視界が数メートルに遮られるとともに、夜間の体感温度が氷点下近くまで急降下する。

報道各社の取材データによれば、低山における遭難事故の多くは「道迷い」から始まります。本人は下山しているつもりでも、実際には尾根から谷へと迷い込み、疲労と低体温症によって行動不能に陥るパターンが極めて多いのです。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

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