小室哲哉の著作権は現在誰のもの?5億円事件の真相と印税の行方
結論から整理すると、小室哲哉氏が手掛けた楽曲群の著作権は、エイベックスをはじめとする各音楽出版社が法的な権利(音楽出版権)を保有し、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)やNexToneが信託管理を行っている状態にあります。決して一個人の手元に独占的に眠っているわけでも、投資家グループに差し押さえられたまま放置されているわけでもありません。
音楽ビジネスにおいて「著作権」と一口に言っても、その構造は多層的です。作詞者・作曲者に帰属する「著作権(支分権)」、レコード会社などが持つ音源の「原盤権」、そして楽曲をビジネスとして管理・開発する「音楽出版権」が存在します。小室氏の全盛期ナンバーの多くは、プロデュース契約やマネジメント契約の一環として、古くから音楽出版社(とりわけエイベックス系列の出版子会社)に譲渡されていました。
そのため、一般リスナーがサブスクリプション配信で楽曲を再生したり、カラオケで歌唱したり、あるいは一般社団法人音楽特定利用促進機構(ISUM)を通じて結婚式などで適法利用されたりした際の使用料は、JASRAC等を経由して正規の音楽出版社および小室氏本人(作詞・作曲者取り分)へ適正に分配され続けています。「事件によって楽曲が永久に封印された」あるいは「本人が印税を一銭も受け取れない」という俗説は明確な事実誤認です。