大相撲の溜席とは?砂かぶりの値段や維持員の謎・独自ルールを徹底解剖
大相撲のテレビ中継を見ていると、「なぜ毎日同じ人が同じ場所に座っているのか」「向正面にいつも姿勢正しく座っている女性は誰なのか」とネット上で大きな話題になることがあります。特に数年前からSNSを中心に「溜席の妖精」と呼ばれ注目を集めた女性ファンの存在は、溜席という空間の特殊性を象徴する出来事でした。
溜席の大部分を占めているのは、一般のチケット購入者ではなく「溜席維持員(いじいん)」と呼ばれる人々です。維持員制度とは、日本相撲協会の財政基盤を支える後援制度であり、協会に対して一定額以上の寄付・維持費を納めた個人または法人に対して、本場所の溜席を使用する権利(維持員席)が与えられる仕組みになっています。
維持員になるための条件は非常に高く設定されています。東京場所(両国国技館)の場合、6年分で数百万円規模の寄付金を一括納入する必要があり、単にお金を用意すれば誰でもなれるわけではありません。日本相撲協会の厳格な資格審査を通過する必要があり、個人の社会的信用や身元、反社会的勢力との関わりがないことなどが徹底的に調査されます。
過去には暴力団関係者が溜席に陣取り、刑務所に収監されている組長へテレビを通じて元気な姿を見せるという「指定暴力団の溜席観戦問題」が社会問題化しました。この騒動を契機に相撲協会は維持員の管理体制を大幅に強化し、身元確認の厳格化とコンプライアンスの徹底が進められました。
「溜席の妖精」として話題になった女性についても、後日メディアの取材や関係者の証言によって、代々相撲界を支えてきた由緒ある維持員ファミリーの席を正規に利用していた一般の相撲愛好家であることが判明しています。毎日同じ顔ぶれが最前列に並ぶのは、相撲の伝統と財政を長年支え続けている熱心な後援者や維持員たちに正当な観戦権が割り当てられているからに他なりません。