街から消えた24時間スーパーの真相|営業縮小の理由と2026年最新動向

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深夜スーパー縮小の象徴として消費者に最も大きな衝撃を与えたのが、西友24時間営業廃止の真相を巡る動向です。

西友は2000年代初頭、米ウォルマートの傘下に入って以降、EDLP(エブリデー・ロー・プライス)戦略の柱として全国で24時間営業を大々的に展開してきました。「いつでも安く買える」という利便性は西友の代名詞となり、共働き世帯や夜間勤務者から圧倒的な支持を集めていました。しかし、投資ファンドのKKRや楽天グループの出資へと資本構成が移行し、収益構造の徹底的な筋肉質化が進む中で、深夜帯の損益分岐点が見直されることになりました。

取材に応じた西友の元店長経験者は、当時の実態を次のように証言します。「深夜1時から早朝5時までの来店客数は、ピーク時のわずか3〜5%程度に過ぎなかった。セルフレジを導入しても万引き防止の監視員や対面カウンターの維持が必要で、深夜の人件費と防犯リスクは跳ね上がる一方。深夜営業をやめて0時や1時閉店に切り替えた店舗でも、売上の落ち込みは全体の数パーセントに留まり、逆に光熱費と深夜人件費の削減効果のほうが遥かに大きかったのです」。

この流れは他のチェーンにも波及しています。イオン傘下のマックスバリュ24時間店舗でも、地域ごとの需要を精査し、かつて24時間だった店舗を「23時閉店」や「24時閉店」へと切り替える選別が全国で加速しました。郊外住宅街など夜間の人流が途絶えるエリアでは営業短縮が進む一方、繁華街隣接店舗など深夜需要が極めて太い拠点に限定して24時間営業を残すという、戦略的なメリハリがつけられています。

一方、飲食店向けの仕入れ需要を取り込む肉のハナマサ営業時間にも変化が見られます。東京都心部などの歓楽街立地では依然として仕込み需要に応える24時間営業が根強いものの、住宅立地中心の店舗では21時〜22時閉店へのシフトが見られ、立地特性による二極化が鮮明です。

その中で極めて対照的な快進撃を続けているのが、「TRIAL(トライアル)」です。全国に展開するトライアル24時間営業店舗は、多くの競合が深夜営業から撤退する中で、むしろ24時間営業を武器に地方ロードサイドで存在感を高めています。その勝因は、徹底した流通DXにあります。自社開発のAIカメラによる欠品・行動検知と、レジを通さず買い物ができるスマートショッピングカートを駆使することで、深夜帯の店舗オペレーションをわずか1〜2名のミニマム人員で回す体制を確立しました。他社がコスト倒れした領域を、テクノロジーによる省人化で黒字化させているのです。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。