150カ国を旅した伝説の記者・兼高かおるが今も語り継がれる理由
毎週の日曜朝、優雅な音楽とともに視聴者を世界旅行へと誘った『兼高かおる世界の旅』。だが、画面に映し出される華やかな映像の裏側には、常にリスクと隣り合わせの壮絶な撮影現場があった。
通信手段も乏しく、大型の機材を抱えての移動は困難を極めた。未舗装の悪路をジープで何日も走り続け、時には感染症のリスクが潜む危険地帯へと足を踏み入れる。体調を崩してもカメラを止めず、現場のリアルを追い求めた取材秘話は数知れない。彼女が何より大切にしたのは「文化の優劣をつけず、同じ目線で向き合う」という姿勢だった。極限状態であっても気品を失わず、現地の人々と心を通わせたからこそ、他では決して撮影できない生きたドキュメンタリーが生まれたのである。