阿武町4630万円誤送金「職員坂本」の真相と担当者の現在・処分全貌

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この事件の本質は、単なる職員個人のうっかりミスにとどまらず、役場が抱えていた極めてアナログな業務フローと組織的ガバナンスの欠如にありました。問題となったのは、新型コロナウイルス対策として住民税非課税世帯等へ1世帯あたり10万円を給付する特別給付金事業です。

当時、阿武町役場では給付対象となる全463世帯の振込データをフロッピーディスク(FD)に保存し、山口銀行の窓口へ直接持ち込んで処理を依頼する方式を採っていました。ミスが発生した当日のプロセスは以下の通りです。

本来であれば、全対象者の合計金額である「4630万円」が記載された振込依頼書と、各世帯への個別振込データが入ったFDを提出する手はずでした。しかし、担当職員が作成したデータ作成手順に重大な不備があり、システム上のテスト処理や不慣れな操作が重なった結果、対象者リストの先頭に記載されていた住民(田口翔氏)の名前と、給付金総額「4630万円」が紐付いた振込依頼書が誤って発行されてしまったのです。

さらに恐ろしいことに、銀行側には「フロッピーディスクによる個別振込(463件)」と「紙の依頼書による一括振込(1件=4630万円)」の二重依頼データが渡ってしまいました。銀行側から内容の不自然さについて事前確認があったにもかかわらず、役場側は詳細を精査することなく手続きを進行。その結果、4630万円全額が田口氏個人の口座へ誤って送金されるという前代未聞の事態に直結しました。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。