ダイビングとシュノーケリングの違いは?深さ・費用・資格を徹底比較
体験ダイビングに参加したものの、海底に到達できず途中で断念する理由の第1位が「耳抜き(圧平衡)ができないことによる耳の激痛」です。シュノーケリングでは水面に浮かんでいる限り気圧の変化は生じませんが、ダイビングでは潜降開始直後から急激な水圧変化に晒されます。
物理法則に基づくと、水深10メートルごとに大気圧と同等(1気圧)の圧力が加わります。特に影響が大きいのが水面から水深3メートルまでの最浅部です。このわずかな深度変化の間に、中耳腔内の空気は急激に圧縮され、鼓膜が内側へと強く引っ張られます。これを解消するために、耳管を通じて咽頭側から空気を送り込む作業が耳抜きです。
現場取材で見えてきた耳抜きのコツと失敗理由の典型例は以下の通りです。
- 痛くなってから抜こうとする誤謬:鼓膜が完全に引っ張られ耳管が圧迫されてからでは、いくら鼻をつまんで息を送り込んでも耳管が開きません。痛みを感知する前の「水深50センチ〜1メートル」ごとに、唾を飲み込むか小刻みに息を送り込むのが鉄則です。
- 力任せに息を吹き込むバルサルバ法の過ち:鼻を強くつまみ、力いっぱい息を吹き込むと、内耳を損傷する「正円窓破裂」を引き起こす危険があります。必要なのは強い力ではなく、舌の根元を押し上げながら優しく圧をかける技術です。
- 寒さや恐怖による筋肉の緊張:「早く潜らなければ」という焦りや恐怖心からアゴや首回りの筋肉が硬直すると、耳管を開く筋肉(口蓋帆張筋)が正常に機能しなくなります。
鼻炎や花粉症を患っている方、睡眠不足で粘膜が充血している方は、耳管の通りが極端に悪化します。ツアー前夜の深酒を避け、潜降ロープにつかまりながら自分のペースで1メートルずつゆっくり潜れるショップを選ぶことが成功への鍵です。