谷川浩司の現在と十七世名人の軌跡|光速の寄せから藤井聡太評価まで
谷川浩司の代名詞といえば、敵玉を一気に仕留める鋭利な終盤術「光速の寄せ」です。相手の攻めを自陣で受けるのではなく、自玉の危険を極限まで見極めながら最短の手数で相手玉を詰みへと追い込むその指し回しは、「谷川の前に寄せなし、谷川の後にも寄せなし」と称えられました。
1983年、谷川は当時の加藤一二三名人を破り、21歳2ヶ月という当時の史上最年少名人記録を打ち立てました。中学生棋士としてプロ入りを果たした神童が、頂点へと駆け上がった瞬間でした。その後、平成に入ると台頭してきた羽生善治九段ら「羽生世代」の最強の壁として君臨。羽生善治との通算対局数は160局を超え、数々のタイトル戦で名局を生み出しました。特に1990年代の竜王戦や名人戦における激闘は、現代将棋の戦術進化を決定づけた伝説の対局として語り継がれています。