今日の月はストロベリームーン?2026年ピーク時間と方角・噂の真相
多くの人が「イチゴのような鮮やかなピンク色の月」を想像しますが、宇宙空間に浮かぶ月そのものが変色しているわけではありません。この名称の歴史的ルーツと、実際に赤みを帯びて見える大気光学現象の2つの側面から紐解きます。
まず語源となったのは、北米の先住民族であるアルゴンキン族などの風習です。彼らは季節の移り変わりを把握するために毎月の満月に固有の名前を付けており、6月は野イチゴ(ワイルドストロベリー)の収穫期に該当していたため「ストロベリームーン(Strawberry Moon)」と名付けました。ヨーロッパでは初夏に収穫される蜂蜜酒にちなんで「ハニームーン(Mead Moon)」、あるいはバラの開花に合わせた「ローズムーン(Rose Moon)」とも呼ばれています。
一方、物理的に月が赤やオレンジ、あるいは淡いピンクがかって見える現象には、明確な大気物理学の根拠が存在します。夏至(6月21日頃)の時期、太陽は空の最も高い軌道を通りますが、満月は太陽と正反対の位置関係になるため、1年の中で最も低い軌道を描きます。
地平線近くにある天体からの光は、上空高くにある天体に比べて地球の分厚い大気層を長く通過します。この際、波長の短い青い光は大気中の微粒子によって四方八方に散乱(レイリー散乱)して地上に届きにくくなり、散乱されにくい波長の長い赤い光だけが人間の目に到達するのです。夕日が赤く見えるのと全く同じ原理であり、大気中の湿度や塵の量によっては、幻想的な琥珀色やストロベリーピンクに見える瞬間が生まれます。