おならが止まらない・臭い本当の理由|病気のサインと即効の改善法
臭いを伴う多量のガスは、単なる食生活の偏りだけでなく、背後に潜む疾患のシグナルである可能性を軽視できません。特に鑑別が必要とされるのが、器質的な異常を伴わない「機能性消化管障害」と、消化管そのものに病変が生じる「器質的疾患」の2系統です。
機能性障害の代表格が、若年層から働き盛り世代にかけて急増している過敏性腸症候群(IBS)ガス型です。大腸の内視鏡検査を行っても粘膜に炎症や腫瘍は見当たらないにもかかわらず、腸管の知覚過敏と蠕動異常によって「常にガスが溜まっている感覚」や「周囲に臭いが漏れているのではないかという予期不安」に苛まれます。ストレスや緊張が自律神経を刺激し、腸の痙攣を引き起こしてガスを閉じ込めてしまう病態であり、心理的な要因が症状を加速させる特徴を持ちます。
もう一つの頻度の高い原因が呑気症(どんきしょう)です。食事の早食いや炭酸飲料の多飲だけでなく、精神的な緊張から無意識に唾液と一緒に大量の空気を飲み込んでしまう癖、あるいはPC作業中に歯を無意識に噛み締める「TCH(歯列接触癖)」が引き金となります。呑気症によるガスは本来無臭ですが、胃部不快感や頻繁なげっぷを伴い、腸内で食物残渣と混ざり合うことで結果的に不快な膨満感へと発展します。
一方で、最も警戒すべきおならの臭いと病気のサインが、大腸ポリープの進行や大腸がんの初期症状に伴う変化です。日本消化器内視鏡学会の指針や各種がん診療ガイドラインが示す通り、大腸(特にS状結腸や直腸)に悪性腫瘍が形成されると、腸管の内腔が狭窄します。その結果、便やガスの通過障害が生じ、溜まった便が局所で激しく腐敗して「腐敗臭・生ゴミ臭」を放つようになります。