毛を剃ると濃くなる噂は嘘?皮膚科医が明かす真相と正しい剃り方

毛を剃ると濃くなる噂は嘘?皮膚科医が明かす真相と正しい剃り方とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。

ネット上の掲示板やSNS(X、Yahoo!知恵袋など)を精査すると、「剃ると濃くなる気がするから、高校生の頃からずっと毛抜きで抜いている」という投稿が散見されます。しかし、臨床現場に立つ皮膚科医やエステティシャンが最も警鐘を鳴らすのが、この「毛抜きによる自己処理」です。

男性美容領域で長期の自己処理検証を行っているインフルエンサーの追跡記録(2018年〜2026年にわたる経過レポート)によると、長年ヒゲを毛抜きで引き抜き続けた結果、毛が薄くなるどころか、毛穴周辺が赤く腫れ上がり、複数の毛が皮膚の下で渦を巻く「埋没毛(埋もれ毛)」が多発したという過酷な実態が報告されています。毛を無理やり引き抜くと、毛根を包む毛包組織が断裂し、出血や微小な炎症が発生します。傷ついた毛穴を修復しようと皮膚の角質が厚くなり、出口を失った毛が皮膚の下で伸び続けてしまうのです。

また、夏場に相談が急増するすね毛自己処理の注意点としても、過剰な摩擦と深剃りが挙げられます。皮膚科を受診した患者のデータを見ると、「カミソリを強く押し当てて逆剃りを繰り返した結果、毛穴全体が黒ずんでしまった」というケースが後を絶ちません。これは毛が太くなったのではなく、慢性的な物理刺激によってメラノサイトが活性化し、皮膚が防御反応としてメラニン色素を過剰生成するカミソリによる色素沈着(炎症後色素沈着:PIH)です。

皮膚には、外部からの激しい摩擦や傷に対して「組織を保護するために角質を厚くし、メラニンで遮蔽する」という防衛本能が備わっています。不潔なカミソリの使用や刃のこすりつけを放置すると、毛自体は太くなっていないにもかかわらず、毛穴周囲の皮膚が茶褐色に沈着し、遠目から見たときに「全体が黒々として濃くなった」ように見えてしまうのです。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。