視力検査の赤緑テストはなぜ行う?見え方の違いと過矯正を防ぐ仕組み

視力検査の赤緑テストはなぜ行う?見え方の違いと過矯正を防ぐ仕組みとはどのようなものなのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。

メガネやコンタクトレンズを作成する際、教科書通りの「赤と緑がまったく均等」だけが常に唯一のベストとは限りません。着用者の生活環境、年齢、主たる作業距離によって、プロが下すべき最終判断は分かれます。

「赤がやや強く見える度数(弱め)」に合わせるべき人

1日の大半をパソコン画面、スマートフォン、読書などの近距離(30cm〜70cm)を見て過ごすデスクワーカーやプログラマー、事務職の方です。近視メガネで「赤が少し濃い」状態は、毛様体筋が最も弛緩したリラックス状態を保てます。あえて度数を0.25Dほど弱めに設定しておくことで、夕方のピントフリーズや眼精疲労、ドライアイを大幅に軽減できます。40代以降で手元のピントが合いにくくなってきた初期老眼世代にとっても、この「弱め処方」が目の若さを保つ防壁となります。

「赤と緑が均等(完全矯正)」に合わせるべき人

夜間の高速道路運転、プロドライバー、広大な屋外でのスポーツ、講義室の黒板を遠くから見つめる学生など、5メートル以上の遠方視力(1.0〜1.2以上)が命となる環境にいる方です。この場合は赤と緑が完全に同等になるまで微調整を重ね、網膜の中心窩に光の結像面を正確に一致させる必要があります。

絶対に避けるべき「緑が強く見える」状態

「遠くが驚くほどくっきり見えるから」と、緑が濃く見える度数を好んで選ぶ方がいますが、これは非常にハイリスクです。毛様体筋を常にフルパワーで締め付け続ける状態になり、20代〜30代の若年層であっても「スマホ老眼」や自律神経失調症を誘発します。どんな用途であれ、「日常使いのメガネ作成で緑優先にする選択肢は存在しない」というのが眼科医療および眼鏡作製の絶対的なセオリーです。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。