新世界ラジウム温泉の現在と閉店理由|跡地の行方と再開の真相
新世界ラジウム温泉の閉業は、単独の店舗の問題ではなく、大阪府および全国で加速する「レトロ銭湯の絶滅危機」を象徴する出来事でした。公衆浴場の料金は物価統制令に基づいて都道府県ごとに上限(統制額)が定められており、燃料費や設備費が高騰しても事業者が自由に価格を転嫁することができません。
大阪府公衆浴場組合の推移データを参照すると、昭和40年代のピーク時に2,000軒を超えていた府内の銭湯は、2026年代には約300軒台へと激減。年間数十軒のペースで姿を消し続けています。ワンコイン程度の低価格で市民の衛生インフラを支えてきた銭湯にとって、ガス・重油などの燃料費高騰と建物の減価償却は構造的に耐え難い重荷となっており、新世界ラジウム温泉の幕引きもその不可抗力な濁流の中にありました。