あさが来たキャスト相関図と現在!波瑠・清原果耶ら10年目の飛躍
ドラマをより深く味わうために知っておくべきは、ヒロインのモデルとなった広岡浅子(1849〜1919)の凄まじい実像です。京都の豪商・三井小石川家に生まれ、大阪の加島屋一族・広岡信五郎に嫁いだ浅子は、ドラマ以上に過酷でアグレッシブな生涯を送りました。
ドラマではあさの愛嬌と周囲の温かな支えが強調されましたが、実際の明治維新における加島屋の危機は壊滅的なものでした。幕府や諸藩への莫大な貸付金が焦げ付き、倒産の危機に瀕する中、浅子は自ら帳簿を調べ上げ、家業の舵取りを一手に引き受けます。福岡の潤野炭鉱の買収にあたっては、ピストルを懐に忍ばせて単身炭鉱へ乗り込み、荒くれ者の炭鉱夫たちと寝食を共にして信頼を勝ち取ったという伝説は完全な史実です。
また、玉木宏が演じた新次郎のモデル・広岡信五郎との関係性も興味深いものがあります。信五郎は実務を浅子に任せつつ、茶道や謡曲を愛する風流人として大阪財界の社交係を担い、妻の最大の理解者であり続けました。特筆すべきは、浅子が病弱であったことや家系存続のため、浅子自らが女中であった小那津を夫の側室として迎え入れた点です。ドラマではこの側室問題はカットされ、一途な純愛として描かれましたが、史実の浅子はそうした当時の慣習すらも飲み込み、日本女子大学校の設立支援や大同生命の創業へと邁進しました。「九転十起(きゅうてんじっき)——九度倒れても十度起き上がる」という浅子の座右の銘は、現代を生きる私たちの胸にも強く突き刺さります。